大阪・関西万博のハンガリー館では、この夏、バラエティ豊かで魅力あふれる音楽プログラムをお届けしています。伝統的なハンガリー民謡から、ジャズやスウィングとの革新的な融合まで──この数週間、数々のステージが来場者を魅了しました。

オープニングを飾ったのはロメンゴ(Romengo)。コシュート賞受賞歌手ラカトシュ・モーニカとの情熱的な歌声と、伝統楽器が奏でる独特のリズムが、会場を瞬く間に祝祭の空気で包み込みました。数日後、モーニカはジプシー・ヴォイセズとして再び登場。ロマ音楽の圧倒的なエネルギーに引き込まれ、普段は控えめな日本の観客までもが歌い踊り、会場は一夜限りのダンスホールに変わりました。

続いて登場したナサーイ(Naszály)楽団は、カルパチア盆地に息づく美しい旋律を披露。演奏の後には万博の夜空を彩る花火が打ち上がり、日本とハンガリーの文化を結ぶ忘れられない夜となりました。

そして、ハンガリーのフォークダンス復興運動を10年以上牽引してきたマゴシュ(Magos)楽団。ハンガリーとトランシルヴァニア双方の音楽遺産を取り上げた演奏は、卓越した技術と深い感情表現が見事に融合し、観客の心を強く揺さぶりました。

伝統的な演奏に続き、ループ・ドクターズ(Loop Doctors)が新たな風を吹き込みました。バルトークやコダーイが築いた調和の世界に、ジャズのリズムや電子音楽の要素を融合。エネルギッシュでありながら伝統への敬意を忘れないパフォーマンスは、ハンガリー民謡の可能性を新しい次元へと広げました。終演後に贈られたスタンディングオベーションは、その成功を物語っています。

そしてフィナーレを飾ったのは、グループン・スウィング(Group’n’Swing)バンド。軽快なスウィングやブギーのメロディーに、洗練されたステージングと弾けるエネルギーを融合し、カリスマ的存在感を放つムジャヒド・ゾルターンが観客を魅了しました。ショーの後半には、最初は座っていた人々まで立ち上がり、会場全体が祝祭のムードに包まれました。 しかし、これで終わりではありません!ハンガリーの音楽プログラムは大阪・関西万博でまだまだ続きます。8月には、さらに魅力的なアーティストたちが登場し、ハンガリー館の文化プログラムを一層豊かに彩ります。