4月28日から30日まで、大阪万博のハンガリーパビリオンで、ハンガリー文化を祝う特別な3日間のイベントを開催しました。文化・イノベーション省と建設・交通省の主催により、音楽、工芸、民族舞踊、現代デザイン、建築などを通じてハンガリーの豊かな文化遺産とその現代的な魅力を紹介しました。

このイベントの大きな目的のひとつは、文化を通じた国際交流、つまり文化外交の推進でした。文化・イノベーション省のチャバ・ガーボル次官補は、ハンガリーの文化外交の取り組みと海外にあるハンガリー文化機関のネットワークを紹介しました。また、リスト・ハンガリー文化センター東京の所長であるメレーニ・クリスティナ氏が、日本語で同機関の活動や日本とハンガリーの文化交流の発展について講演しました。

会期中は、講演、クラフト体験、建築プレゼンテーションなど多彩なプログラムが展開され、伝統と革新が共存するハンガリーの今を、幅広い視点から感じていただける内容となりました。
4月28日の「建築デー」では、建設・交通省のランスキ・レゲー次官が開会の挨拶を行い、続いて開催されたUNI.CO.REシンポジウムでは、オーブダ大学と大阪大学の研究者たちが「未来の都市」について発表。さらに、15年以上にわたる日本とハンガリーの共同研究の成果として、ブダペストの集合住宅の保存と再生に関する書籍も紹介されました。
また、世界的建築家・藤本壮介氏による「ハンガリー音楽の家」の設計コンセプト解説、妹島和世氏と西沢立衛(SANAA建築家ユニット)によるブダペストの「新国立ギャラリー」プロジェクトの紹介も行われました。
「日本におけるハンガリー民族舞踊」セッションでは、クインテッセンス・マスタースクール創設者のミクロシャ・エリカ氏と学生たちが、情熱的なパフォーマンスを披露。さらに、ティマール舞踊団による民族衣装や民族楽器の紹介、そしてイベントの締めくくりとして、彼らによる本格的で心に響く民俗音楽のステージが観客を魅了しました。

ハンガリー文化は今回、日本での単なる紹介にとどまらず、国や人々、そして文化機関をつなぐ「架け橋」としての役割を果たすことができたと自負しています。