8月後半、大阪・関西万博に本格的な「音楽の万華鏡」が到来しました。日ごとに異なるアーティストが登場し、ハンガリー音楽の豊かな遺産を日本の観客に紹介。モダンジャズの新鮮なエネルギーからクラシックな響きまで、多彩なスタイルが披露されました。

最初に登場したのはバラバーシュ・ ルーリンツ・カルテット。トランペッターで作曲家のバラバーシュ率いるバンドは、グルーヴ感あふれるリズムとコンテンポラリー・ジャズを融合させ、軽快で即興性に富んだステージを披露しました。続いて フェレンツィ・ジョージ&バンドが2公演を行い、民謡とロックンロール、ブルース、ファンクを大胆にミックス。古典詩と現代音楽を力強く結びつける演奏は、観客を大いに沸かせました。

その後は一転して叙情的なひとときに。サローキ・アーギとバンドが登場し、ハンガリー民謡をジャズアレンジで披露。清らかな歌声と遊び心ある即興が織りなす特別な空気感に、会場は感動に包まれました。さらに、まだ高校生でありながら国際的に活躍する若きヴァイオリニスト 、テグラーシュ・ボトンドが登場。将来を嘱望される才能が大阪のステージでも観客を魅了しました。

音楽マラソンには チーク・ヤーノシュ&メッゾ楽団 も参加し、民族音楽とジャズのリズムを融合させたステージを披露。そして大トリを飾ったのは、ハンガリーを代表する伝統音楽グループのチーク楽団。圧巻の2連続公演で、伝統的な旋律とモダンなサウンドを見事に融合させ、世代を超えて響きわたる音楽の力を示しました。 今回のプログラムを通じて、ハンガリー音楽がいかに多彩で、伝統を守りながらも新しい表現を生み出し続けているかを、多くの来場者に感じていただけたでしょう。ハンガリー・パビリオンでは、これからも文化の奥深さと魅力を発信し続けていきます。